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2003/01/15

ザスパ草津 1 (PK 3-1) 1 図南SC

0115

 去年暮れ、磐田で見たJFL参入戦が3部入替戦とするのであれば、今日見る試合は5部参入戦ということになる。Jリーグなど雲の上の話、JFLですら夢の世界のリーグである。しかし、実際に試合を見てみれば勝ちたい、生き残りたいという気持ちは磐田の時と全く劣らず、試合の内容はずっと上を行くものであったと思う。磐田の参入戦の結果が、静産大のJFL参入の道を閉じたという面で残酷性を帯びたものであるとするのなら、今回の試合は、夢と意地の壮絶なぶつかり合いで、感動的なものであったといえるだろう。試合の結果は延長戦でも結果が出ずPK戦の末、ザスパが勝ったが仮に図南が勝ったとしてもその気持ちに変わりはなかったと思う。

 試合開始早々、ザスパが攻撃を仕掛ける。キックオフと同時に全選手が一斉に図南陣内に攻め込みゴールを狙う。それは図南ディフェンスにクリアされたが、その後も圧倒的にザスパがボールを支配し、ゲームを組み立てる。

 15分程度過ぎた頃、だんだん図南が落ち着きを取り戻し、ザスパの攻めをインターセプトするケースが増え始める。図南の攻めは早い。ロングボールの放り込み戦法を使用するが落下地点の図南のボールの受けが確実で、あっさりとザスパのペナルティエリアまで到達する。しかしザスパ最終ライン、総監督兼選手を務める奥野亮祐、そして元日本代表GK小島伸幸はあわてることなくこの攻撃をクリアする。図南はシュートまでは打てる。しかしザスパディフェンスの相手FWに対する寄せが的確で結局GKの正面にしかシュートを打たせないのだ。3バックがそろって相手フォワードに詰め寄る戦術というのはあまり見ない。これは奥野が図南の攻撃意図を早めにつかみ、フォワードに仕事をさせないからだろう。前半の結果を見れば図南のシュートは6本、ザスパは7本と互角であったが内容はザスパの危なげない試合運びであったといえる。

 先取点を取ったのはザスパ。29分、サイドからのセンタリングを33番簗選手が併せてゴール。これでザスパは展開が楽になった。その後、図南の攻撃が勢いを増し、ザスパ選手に対するハードプレイが増えて来る。しかし、ザスパディフェンスは崩されることはなく、1-0で前半終了。

 後半は図南が前線に選手を集めるようになってくる。図南は27三浦、13塚越、22森の3人の選手をフォワードにし、10鳥居塚選手を基点にしてザスパゴールを狙う。この図南10番の運動量はすざましく、攻撃への基点、ディフェンスの前線と攻守にわたって走る。これに対しザスパは3バックに変化はなく、ボランチが下がり気味となり図南のパワープレイに対応するようになる。しかし、このフォーメーションでは図南の方がザスパ陣地内での選手数が多くなり、必然的に図南の一方的な攻めが続くようになる。しかし残念ながらシュートまではいたらない。

 ザスパ奥野のカバーリングが絶妙で図南3トップがボールを持つと潰され、逆にカウンターとして図南ゴール前にロングボールがとんでくる。後半に限ってみればボールキープ率は図南の方が圧倒的に高いものの、シュート数は図南2、ザスパ8と逆である。そのザスパのカウンターを一身に防いだのが図南のキーパー中村選手である。このキーパー、ハイボールの処理が抜群でゴール枠上部を狙ったシュートをジャンピングパンチで防ぐ。その度に観客からどよめきが起きる。

 ザスパ1-0で後半80分が経過した。図南のFWは懸命に攻めるが徐々に疲れが見えてきた。しかし気力でカバーしているのがはっきりとわかる。特に10番、鳥居塚選手はFWにスルーパスを出す、自らシュートを打つ、攻められれば中盤まで戻りボールを奪う。足を吊る選手が出始め消耗戦の色合いが濃くなってきた。

 残りわずか、もうザスパの守り勝ちか、そうみえた84分、ついに図南が追いついた。図南ディフェンスからのロングボールを攻めあがったMFがゴール前まで運び、そこに22番、森選手がダイレクトに併せてゴール!図南同点!図南サポは抱き合い喜び、狂ったようにバックスタンドを走りまわる。そして森選手はユニホームを脱ぎ、そのユニホームを大きく振り回して喜びを表現する。呆然とするザスパイレブン、そして大勢のサポーター。残り6分、全く信じられない展開にスタジアムは騒然となった。

 その残り6分とロスタイム3分。後半終了の笛が吹かれるまでお互いが足を引きずりあいながらボールを追っていた。足を吊り倒れる。目測を誤って衝突し、倒れる。しかしボールを外に出すようなことはせず、ひたすら最後の追加点を狙っていた。しかし点が入ることはなく後半終了。延長戦となった。 延長戦はザスパがやや押すものの、得点が狙えるようなシーンはなく全後半30分が終了した。それは見るものですら辛い30分であった。私はザスパの勝利を期待してこの試合を見ていたが、もうどちらが勝ってもかまわない、そう考えるようになってきた。

 そしてPK戦。

 勝負はあっさりついた。図南はキッカー4人のうち3人が枠を捉えられず失敗。ザスパは4人中3人が成功。PK3-1によりザスパが勝った。試合時間は実に3時間。本当に全力を尽くして出した結果だった。PK戦の勝因はザスパGK小島の影響が非常に大きかったといえる。ラグビー選手を思わせるほどの大柄の元日本代表GKにPKを挑むというのは少し酷であったかもしれない。結局小島は自らボールをはじくことはなく、図南の自滅によって勝負がついてしまった。

 敗れた図南は芝に倒れるようなことはなかった。挨拶が終わるとすぐにバックスタンドにいる図南サポーターの前に行き、深々と頭を下げた。そのシンプルで誠実な態度が逆に涙をさそった。図南はジュニア組織を持っている。サポーターの多くは小学生、中学生である。彼らは拍手で選手を迎え、大声で「図南SC!」と何度も何度も叫ぶ。図南は県リーグに降格したけれど、彼らは自分のチームを誇りに思っているに違いはないと思う。少なくとも絶対にあきらめずボールを追い、同点に追いついた今日の試合からは得るものは多かっただろう。それは貴重な財産になるに違いない。

 今日の試合、無料であるのが信じられなかった。地域リーグの単なる入替戦ではあったけれど、ここまでひたむきに、そして密度の濃い試合はJリーグでも殆どお目にかかれない。少なくともリーグの位置づけと試合のクオリティは必ずしも一致しないということは確かだと思う。

 図南の選手がそのままチームに残り、県リーグを戦うのであれば来年の関東2部昇格は確実性が高いだろう。ザスパはどうだろうか。県リーグは圧勝したが社会人大会で苦戦したところを見ると今期の成績は予想がつかない。しかし、2部昇格という結果は出したのだ。その事実をまずは祝福し、今期のリーグ戦に期待をしよう。

敷島県営サッカー・ラグビー場 観衆:約2000人

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