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2013/08/17

【映画】 終戦のエンペラー

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 8月に入り、戦争にまつわる映画が増えてきました。アニメ「風立ちぬ」に次いで、今度は実写です。この作品は昭和天皇の戦争責任を問うた映画です。天皇陛下をモデルにした映画って初めて見たような気がします。天皇に戦争の責任はあったのか、というのは全ての日本人に取っては非常に重い話で、簡単に口に出せないものだと思っていました。それが映画に登場するのですから時代は変わったものです。もっとも映画はアメリカ製ですが。

 日本の映画会社ならばもう少しソフトに作るだろうという光景も、リアリティ満載で表現していました。廃棄された飛行機で埋め尽くされた厚木飛行場、余裕を見せつけて飛行機から降りるマッカーサー。リアリティたっぷりに描いた焼け野原の東京、すす汚れておびえた目で見る日本人達。戦争に負けることがいかに惨めであることが、嫌と言うほど見せつけてくれます。

 アメリカの視点から見た天皇制というものが非常に面白かったです。日本人達は自分で物を決めることができない、だから責任の所在が全くわからない。天皇はどこまで権力を握り、この戦争に関与したのか、いくら調べてもわからない、それゆえ調べる対象が次々と変わる。現代に通じる日本人の問題点をよく表しています。現代だってそうですよね。福島原発事故は誰に責任があるのでしょうか?先日の裁判では東電関係者は全員無罪になりました。

 私は元々、昭和天皇には戦争責任があると思っていました。実際に命じたのが天皇でなかったとしても、天皇の名の下に全員が狂信的に戦って死んでいったわけですから、それで責任がないはずはないと思っています。昭和天皇が処刑されなかったのは、処刑すれば日本人はGHQに不信感を抱き、ソ連の援助の元に共産化が進むだろう。アメリカはそれを阻止したいがために処刑はしなかった、そういうふうに考えていました。

 実際、映画のストーリーは概ねその通り進んでいきます。ただ、実際の所はそう簡単な物ではなかった。ワシントンでは大統領選挙を控えていて、票を集めるために天皇を処刑せよと声が高まっている。調査期間は10日間。時間がないままで証人を追っていくGHQ。責任者のフェラーズ准将は日本人に恋人を持ち、その恋人の安否を気にかけながら調査をする。戦争責任の追及という点で、GHQはここまで調べていたこと、知日派を動員していたこと、多少のフィクションが入っているとは言え、非常に客観的に丁寧に戦争直後の日本を描いているのが印象的でした。

 この映画を見ていろいろとわかったことがあります。戦争直後であっても皇宮警察が非常に強い権力をもっていてGHQといえども皇居の中に入ることができなかったというのには驚きました。結局の所、御所の職員(この映画のプロデューサーの祖父)を説き伏せたことにより、マッカーサーが御所に赴くのではなく、昭和天皇が日比谷のGHQに出向く形で実現したというのは初めて知りました。到着後、玄関に赤絨毯がしかれ、MP一同が最高の儀礼をもって出迎える様は敗戦国の元首に対する対応をとっていたというも意外でした。そこにあるのは全て元首に対する敬意です。

 その先の話は概ね史実通りです。映画で見る昭和天皇は全く「現人神」に見えず、痩せた背の低い日本人にしか見えないことも、スクリーンを通してみると痛々しく見えます。実際もそうだったのでしょう。

 この映画は米軍将校と日本人女性とのロマンスも平行して描かれています。ここの部分はフィクションですが、話を引き込ませる手法としては成功していますね。この部分は「風立ちぬ」と同じです。ただ、風立ちぬがあくまでもエリート技術者の半生を綴っていたのに対し、この映画は戦争に負けた国のあり方を強く出している分、ずっと現実味はあります。ここには「風立ちぬ」で感じたプロジェクトX的な未来は感じられません。そこにあるのは戦争で負けるというのはこういう事なんだ、という実感だけでした。

 8月7日 横浜ブルク13

 

 

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