湘南ベルマーレ 3-2 横浜FC
川崎フロンターレの監督交代の件についてはフロンターレの観戦記の中で書きます。監督交代については少し怒っています。ただし、ここでは横浜FCの話をします。
まあ勝敗自体は最初から見えていたとは言わないまでも、かなり苦しいだろうと思っていましたので、結果は驚きません。3対2と言う結果だけ見ればよく頑張った方ではないでしょうか。同じ3対2で負けた試合でも前日のガンバ大阪対川崎戦よりはずっとマトモな試合展開だったかなと思います。
負けた原因は純粋に地力の差で、どうしようもなかったのでしょう。今の横浜FCでこれ以上の展開は予想できません。あえて言うのならば、後半開始早々に同点追いついたあと、持ちこたえて欲しかった。同点のシーンは内田の個人技でした。湘南の古林が内田のマークについていたのですが、ほんの一瞬、古林のマークが緩み、その隙に内田がサイドを突破、そのままボールを受けてゴールまで突っ込みました。この試合では内田はサイドハーフを任されていたのですが、横に消える動きというのは相手にとって驚異的だったと思います。この試合にでた28人の選手の中で一番魅せてくれた選手は内田です。サイドハーフという面で見れば、川崎のサイドハーフよりもずっといい動きをしています。こういう選手があと5人程度いれば、横浜FCだって今の湘南と同じ順位にいたかもしれません。
しかし、試合を作る選手が内田しかいなかったというのが今の横浜FCなのだと思います。フォワードの永井、大久保にもう少し個人技があれば・・つまり自分で抜くなり裏に飛び出せるなりすることができればもっと湘南のラインも下げることができるのに、そうすれば湘南の攻撃だって半減できるのに。そういうもどかしさがあります。今の横浜FCにはボールをつなごうという意識があるが故に、それを逆手に取られて防がれているように思えます。話が元に戻りますが、内田のゴールで同点に追いついた後、後半を耐え凌ぎ、コーナーキックやフリーキックで逆転に追いつくことも展開の上では可能でした。事実、横浜FCはもう1点取っています。だからこそ、地力で負けている部分をカバーできなかったのが痛かったと思います。
試合の話はこのくらいにして別の面で湘南と横浜FCとの差を話します。経営面で湘南と横浜FCを比べてみると、湘南のほうがずっと厳しい状態に置かれています。事実、湘南は債務超過一歩手前でバックに企業もなければ胸スポンサーもありません。クラブハウスもないと聞いています。ある意味、横浜FCの真逆の環境です。しかし成績は首位と最下位の違いが出ています。その差はなんなのか。
結局はフロント力の違いだと思います。今年の湘南は若い選手を多く使い、しかもその大部分は湘南のユース経験者です。先制した馬場は湘南ユースの出身で神戸でもまれてきました。監督も韓国から来た決して有名とは言えない方ですよね。2年先、3年先を睨んで人を選んでいて、しかもそれが今、かみ合っていて首位にいます。横浜FCはユース出身の選手が活躍できるのは果たしていつになるのか、そしてそのビジョンがあるのかという部分が見えません。永井や堀之内、田原が悪い選手だとは言えません。しかし、J1で名の知れた選手を取って即効性を狙うあたりが、逆にチーム内部でかみあっていないものを生み出しているような気がします。それは監督を変えても解決しないと思います。もう今年はこれでいくしかないので、今シーズンの失敗と反省の一つとして考えて欲しいと思います。でないと毎年くりかえしますよ。というか以前から繰り返しているのですけど。
湘南に苦言を一つ。今日のマッチスポンサーは去年まで横浜FCを支えてきてくれた中核スポンサーでした。今年から横浜FCのサポートをやめ、湘南に移りました。ビジネス上、こういうスポンサーの移籍はつきもので、それは仕方がないのですが、何も横浜FC戦でマッチデーを組むことはないだろうにと思います。しかもその社長に挨拶をさせてしまいました。正直悪趣味だと感じます。試合前の挨拶でその社長は横浜FCへの感謝とこの試合の湘南の勝利を口にしましたが、かなり言葉を選んで話した割には、ひと言ひと言が気に障りました。当然横浜FCサポーターからはブーイングが飛びます。サッカーの世界はなじり合いは普通のことですが、こういう誰も幸せにならないイベントを組む神経が私には理解できませんでした。
Shonan BMW スタジアム平塚 観衆:7,111人(公式発表)