【バレエ】マラーホフの贈り物:ファイナル 鑑賞記
今日は午後半休をとって上野に向かいます。上野文化会館でバレエを鑑賞するのです。ウラジミール・マラーホフというウクライナのバレエダンサーがいて、バレエ界の巨匠とされているのですが、そのファイナル公演が行われるというので友人にチケットの発券を頼んで行ってきました。S席で1万6千円です。(送料と発券手数料別)。
演目は通しで作品を演じるのではなく、いくつかの作品のパートをそれぞれの一流プロが踊って見せる形となっています。もちろん踊る主演はマラーホフですが、お相手を務めるのが東京バレエ団、ミュンヘンバレエ団、シュトゥットガルトバレエ団などです。私はバレエの知識は全くないので論を持つ資格はないのですが、見た感想だけ言うと、ああ綺麗だな、と思いました。
それだけかい!と怒られるかもしれませんが、本当に作品の良さを理解しようと思うと、作品の持つ意味や踊りが見せる物などがわかっていないと話にならないので、一回見てここが良かったと言える物ではないと思います。人が躍り出見せる美しさ、というものが美しいと感じることができれば演目としては成功なのではないかと思います。
興業は何を見せることで何を楽しめるか、というのが変わってきますね。バスケットボールなどのアメリカ型スポーツは楽しいということを楽しむものだと思います。試合中に流れるDJのアナウンスや音楽が来た人を楽しくさせるのです。
バレエは美しさを楽しむ物だと思います。綺麗な服を着たダンサーが音楽に合わせて体で表現する美しさを楽しむことができるか、ということにあるのだと思いました。
見ていて思うのはプロとしての完璧さでした。たとえば最初の白鳥の湖の群舞は東京バレエ団が踊ったのですが、オデットが踊っている間はピタっと体を静止させ、1ミリも動きません。その静止した姿が、ああ綺麗だなと思うのです。そのレベルはひょっとしたらバレエの基礎の「基」なのかもしれませんけどね。自分には絶対にできないと感じるところでもあります。
一つ残念なことがあって、それはプログラムに大幅な変更があったことでした。マラーホフ本人の体調や、シュツットガルトバレエ団の到着が公演日当日になったことなど理由はいくつかあるのですが、プロとして魅せることを生業とするのならば、そういう部分はどうなのか、と思いました。
バレエは一度だけでは語れる物ではないですね。またみたいと思います。今度はクラシック作品を全幕通しで鑑賞したいですね。
5月22日(水) 上野:東京文化会館
演目一覧
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1.「白鳥の湖」第2幕より
※オリガ・スミルノワ ウラジミール・マラーホフ 東京バレエ団
2.「トゥー・タイムス・トゥー」
※ルシア・ラカッラ マーロン・ディノ
3.「ギルティー」
※マライン・ラドメーカー
4.「ラ・ペリ」
※吉岡美佳 ウラジミール・マラーホフ
5.「海賊」より奴隷のパ・ド・ドゥ
6.「シンデレラ」
※ヤーナ・サレンコ ウラジミール・マラーホフ
7.「フランク・ブリッジの主題による変奏曲」
※マリア・アイシュヴァルト マライン・ラドメーカー
8.「レ・ブルジョア」
※ディヌ・タマズラカル
9.「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
※ルシア・ラカッラ、マーロン・ディノ
10.「白鳥の湖」より”黒鳥のパ・ド・ドゥ
※オリガ・スミルノワ セミョーン・チュージン
11.「瀕死の白鳥」
※ウラジミール・マラーホフ
以 上