栃木ウーヴァ 1-0 ノルブリッツ北海道(PK4-1)
昨日の天皇杯は雨が降り注ぎましたが、今日は快晴です。陽が差す地方の陸上競技場で見るサッカーは、ほのぼのとした雰囲気がして好きです。そのひなびたスタンドを満員の観客が埋め、ゴール裏にはサポーターが陣取ります。その殺気だった空気が競技場の光景とあまりにも対照的で、大一番が始まるんだなと気づかせます。前節を落とした栃木は何が何でも勝たねばならず、必死さが出ます。
で、試合の話。少し厳しい書き方をしてしまいますが、栃木もここまでバタバタする戦いをしてしまうようじゃ、来年もきついなと思います。正直な話、今シーズンで佐川滋賀がリーグ脱退を表明しなければ、あるいはアルテ高崎が今年も参戦して栃木よりも上の成績であれば、栃木は自動降格でした。それが他力本願で救われ、さらに入れ替え戦をホームアンドホームで戦うことができ、さらに第一戦はノルブリッツが積雪のため当日移動となったわけです。そこまでお天道様にお膳立てをしてもらって、それでいて地域リーグ決勝大会3位のチーム相手に第一戦は逆転負け。第二戦はPK戦までもつれ込んだわけです。バタバタした試合展開を見て、これなら北海道が上がった方がいいのかなあ・・新顔を入れた方がいいのかなと思いながら見ていました。PK戦で勝つあたりが首の皮一枚残して残留し続ける栃木の運の良さなのかもしれませんけどね。
栃木ウーヴァのホームゲームは手作り感がいっぱいでとっても好感が持てるし、ジュニアチームも持っているし、ちゃんとホームアドバンテージを出しながら試合を開催しているしで、運営自体はJFLチームの鏡ともいえると思います。でも、勝ち上がるとか生き残るとか、そういう点では甘いんじゃないかなと思えるところもありました。たとえば試合後、私が撤収してスタンドを後にした瞬間、ピッチからアナウンスが聞こえました。「今年のチームはまとまっていませんでした。でも最後になってまとまりました」と。
これって違うんじゃないかなと思います。選手がまとまっていないのではなく、自分がまとめられなかっただけではないかと。大体こんなの言い訳じゃないですか。ファンやサポーターに対しては、ただひたすら一年間応援してくれたことに対する感謝と最下位に終わったことに対する謝罪だけが言っていいことじゃないのかなと。私はJリーグの入れ替え戦を観戦したことがありますが、残留を決めたチームの社長の挨拶はただひたすら謝り続けていました。最下位ということはそういうことだと思います。
たぶんこのクラブは社長も監督もキャプテンも、みんな根はいい人なんでしょう。でも18チームの生存競争という点ではそういうところから直していかないと勝てないと思います。
栃木市陸上競技場 観衆:1,445人